セラミックフライパンが安全な理由【フッ素樹脂の危険性とは】

セラミックフライパンが安全な理由【フッ素樹脂の危険性とは】

セラミックフライパンは安全なのかな。

セラミックとフッ素樹脂はどっちがいいの?

フッ素樹脂の危険性について詳しく知りたい。

そんな人向けの情報となります。

セラミックフライパンは、従来のフッ素樹脂コーティングではなく、セラミックでコーティングしたフライパンです。伝統的なセラミックの原料は、粘土や珪石などの天然物であり、日本では縄文土器が始まりとされています。

セラミックスまたはセラミック(英語: ceramic)とは、狭義には陶磁器を指すが、広義では窯業製品の総称として用いられ、無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体を指す。
引用: ウィキペディア(Wikipedia)

セラミックフライパンが安全なのは、人体に影響のない素材でつくられていること、および過熱時に有毒ガスを発生しないことが挙げられます。これらはフッ素樹脂で危険性が指摘された内容です。

本記事でわかる内容はこちら。

  • セラミックフライパンってなに?
  • フッ素樹脂フライパンが危険な理由
  • セラミックフライパンが安全な理由
  • セラミックフライパンのメリット
  • セラミックフライパンのデメリット
  • セラミックフライパンがおすすめな人
  • セラミックフライパンの人気ブランド3選

セラミックコーティングのノンスティッククックウェアは、2007年頃に誕生した新しめの技術です。人だけでなく環境への影響も小さく、世界的にフッ素樹脂からの乗り替えが進んでいます。

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セラミックフライパンってなに?

セラミックフライパンとは、一般的にセラミックコーティングを施した、ノンスティックフライパンのことです。従来のフッ素樹脂コーティングに替わる、新しいノンスティッククックウェアとして注目されています。

補足しておくと「コーティングがセラミックであること」がポイントです。外面や素材だけセラミックで、内面のコーティングがフッ素樹脂のフライパンもあるのでご注意ください。

詳しくは後述しますが、セラミックだから安全、フッ素樹脂だから危険というわけではありません。人体に影響があるのは、PFOAやPFASなどの化学物質です。

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フッ素樹脂フライパンが危険な理由

セラミックフライパンの安全性については、フッ素樹脂フライパンの危険性を知ることで理解が深まります。というのも、フッ素樹脂コーティングの問題を解決したのがセラミックコーティングだからです。

主な危険性は2つあります。

  • 過熱時に有毒ガスを発生する
  • 製造時に発がん性物質を使用する

結論からお伝えすると…

近年は発がん性物質の規制が強まっており、フッ素樹脂フライパンでもPFOAフリー、PFASフリーが増えてきています。そのため、過熱に気をつければ、安全に使用できるフライパンも多いです。

過熱時に有毒ガスを発生する

目や喉の痛み、発熱や頭痛のおそれがある

フッ素樹脂は高温になると「有毒ガス」や「微粒子」を放出することがわかっており、人が吸引した場合、ポリマーヒューム熱という症状を引き起こす可能性があります。

日本での発生事例はこちら。

55歳女性.鍋に火をかけて寝てしまい,2時間後に呼吸困難を自覚し当院へ搬送となった.発熱と低酸素血症があり,胸部CTにて中枢側優位のすりガラス陰影を認めた.気管支鏡検査では気管支肺胞洗浄液にて好中球増多があり,経気管支肺生検では軽度の胞隔炎の所見であった.フッ素樹脂加工鍋の使用歴から,ポリマーヒューム吸入による肺障害と診断した.
引用: フッ素樹脂加工鍋の過燃焼にて発症したポリマーヒューム吸入による肺障害の1例 | CiNii Research

火をかけたまま寝るとはけしからん!というのはごもっともですが、セラミックフライパンなら有毒ガスが発生するリスクそのものがなく、安心して使うことができます。

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製造時に発がん性物質を使用する

発がん性のおそれがある

フッ素樹脂のノンスティックコーティングは、製造時にPFOA(ペルフルオロオクタン酸)を使用してきた背景があり、このPFOAが国際がん研究機関(IARC)にて、発がん性のおそれがある物質に分類されています。

このPFOAの危険性は、2005年にアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が指摘しており、以降は世界的に規制が強まりました。その結果、近年のフッ素樹脂フライパンの多くは、安全なPFOAフリーとなっています。

専門用語が多くてややこしいのですが、人体や環境に影響があるのはPFOAやPFAS(有機フッ素化合物)です。フッ素樹脂は別物なのでご注意ください。

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フッ素樹脂の危険性まとめ

PFOAフリーなら過熱に気をつければ安全

フッ素樹脂の危険性は、過熱時に有毒ガスが出ること、および発がん性物質のPFOAが使われていることです。そのため、PFOAフリーのフライパンなら空焚きなどに気をつければ、問題なく安全に使用できます。

フッ素樹脂の種類です、ご参考までに。

  テフロン  → ケマーズ(旧デュポン)の商標
  ポリフロン → ダイキン工業の商標
  フルオン  → AGCの商標
  レアフロン → NOKの商標

これらは全てフッ素樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)に商標が付けられたもの。企業が異なるだけで同じものです。

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セラミックフライパンが安全な理由

セラミックフライパンが安全な理由は、先のフッ素樹脂フライパンの危険性を解決しているからです。過熱時に有毒ガスを発生するリスクがなく、PFOAなどの有害物質も含まれていません。

項目 セラミック フッ素樹脂
耐熱温度 約450℃ 約260℃
有害物質 なし PFOA
項目 セラミック フッ素樹脂
有毒ガスの発生 なし あり
人体への影響 発がん性なし 発がん性あり※
地球への影響 リサイクルしやすい リサイクルしにくい
※発がん性のおそれがあるのはPFOAです。フッ素樹脂フライパンでもPFOAフリーであれば安全に使えます。
セラミックフライパンが注目されているのは、人に優しいのはもちろん、リサイクルしやすく地球に優しいことも理由の一つ。日本でもエコやエシカルな人を中心に、フッ素樹脂からの買い替えが進んでいます。

セラミックフライパンのメリット

セラミックフライパンのメリットはこちら。

  • くっつきにくい、焦げつきにくい
  • 安全性が高い、安心して使える
  • デザインやカラーがおしゃれ
  • お皿と同じような扱いができる
  • 遠赤外線効果でふっくら仕上がる

最大のメリットは、調理時に「くっつきにくい」「焦げつきにくい」「汚れがスルッと落ちる」ノンスティック効果がありながら安心安全なことです。

また、ホワイトやピンクなどのおしゃれなフライパンも多く、キッチンを明るく華やかにしてくれたり、料理するときのテンションを上げてくれます。そのままテーブルに運べるのも嬉しいです。

セラミックフライパンは、遠赤外線の発生量が多いため、食材の中まで火が通りやすく、ふっくら仕上がるのもGood。熱伝導率の良いフライパンです。

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地球上の物質はすべて遠赤外線を発しています。もちろんあなたの体からも微量の遠赤外線を発しています。遠赤外線は紫外線や可視光線と同様に電磁波の仲間で、木炭(炭素)やセラミックは特にその発生量が大きく、肌着や寝具、暖房器具、調理器具などに広く応用されています。
引用: 遠赤外線のお話|七輪本舗

セラミックフライパンのデメリット

セラミックフライパンのデメリットはこちら。

  • しばらく使うとくっつく、焦げつく
  • 最終的に買い替え、使い捨てとなる
  • 予熱必須、中火以下など条件が多い

最大のデメリットは、使い続けるとコーティングが剥がれ、くっついたり焦げついたりすること。セラミックフライパンは、フッ素樹脂フライパンと同じように、定期的な買い替えが前提となります。

その上でお値段が高いのがネックです。一生物の鉄のフライパン、長持ちするステンレスのフライパンなら多少高くても気になりませんが、2年ほどで買い替えるのに高額というのがデメリットと言えるでしょう。

セラミックフライパンは、予熱、少量の油、中火以下など、使用条件が多いのも難点。パパッと料理したい人には不向きです。

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セラミックフライパンがおすすめな人

グリーンパン
出典:グリーンパン(GREEN PAN)

セラミックフライパンがおすすめな人は…

  • 料理に時間をかけられる余裕がある
  • 買い替えにお金を使える余裕がある
  • ノンスティックフライパンがほしい
  • 人や地球に優しいフライパンがほしい
  • おしゃれでかわいいフライパンがほしい

個人的な観点ですが、セラミックフライパンはお値段の割りに長持ちせず、デリケートな取り扱いが求められるので、お金や時間に余裕がないと厳しい印象です。

「食材をぶっ込んでから油を引く」

「火力MAXでササっと炒めて完成」

「調理後は食洗機に入れておしまい」

こんな使い方はできません…

そのため、ノンスティックや安全性の高いフライパンを使いたいだけなら、PFOAフリーのフッ素樹脂フライパンが有力候補になります。エコや地球環境まで考えるならセラミックフライパンです。

おしゃれでかわいいフライパンがほしい人にもおすすめですが、2年ほどで買い替えとなることを念頭に置いておきましょう。

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セラミックフライパンの人気ブランド3選

最後にセラミックフライパンの人気ブランドを3つご紹介。今回ピックアップしたのは、セラミッククックウェアのパイオニア、日本のおすすめブランド、そして安全意識の高いヨーロッパブランドです。

グリーンパン(GREEN PAN)

グリーンパン

セラミックコーティングのパイオニア

グリーンパン(GREEN PAN)は、世界で初めてフッ素樹脂を使わない、ノンスティッククックウェアを開発したベルギーのブランドです。セラミックフライパンのパイオニアとして知られています。

グリーンパンの魅力は、セラミックコーティングに特許技術のThermolon™(サーモロン)を使用し、有害物質0を保証しているところ。絶対に安全なセラミックフライパンを使いたい人におすすめです。

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購入者

テフロン加工ではないフライパンが欲しかったのですが、まさに願い通りのフライパンでした。面倒なお手入れが必要ないのに、熱伝導が良いので食材の芯までしっかり火が通り、綺麗に焼けます!

グリーンパンは、世界100カ国以上で愛されているフライパンです。2007年に登場してからもセラミックコーティングの改良および強化に取り組んでおり、2023年現在は第5世代まで進化しています。

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キッチンシェフ(KITCHEN CHEF)

KITCHEN CHEFのセラミックカラーパン

アイリスオーヤマのセラミックフライパン

KITCHEN CHEF(キッチンシェフ)は、お手頃価格なのに高品質で愛されている、アイリスオーヤマさんのセラミックフライパン。期待通りの圧倒的なコストパフォーマンスです。

アイリスオーヤマさんは、2015年にグリーンパンを手がける「ザ・クックウェア・カンパニー」さんと、共同開発ブランドの「Green Chef」を立ち上げています。ずばり、日本のパイオニアと言ってもいいでしょう。

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40代女性

色も可愛くて、とても使いやすいです。説明にもあるとおり熱伝導が良いせいか強火の料理も中火、弱火で問題なく作ることができます。ハンバーグやアクアパッツァなどお皿に移し替えることなくそのまま食卓に出して見栄えがいいので気に入っています。

とってもリーズナブルなので、初めてセラミックフライパンを使う人にもぴったり。ハンドルをフライパンや鍋に付け替えて使用するタイプです。取り外したままならお皿として使えます。

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D&S(DESIGN AND STYLE)

D&Sのアルミフォージドシリーズのセラミックフライパン

安全意識の高いデンマークブランド

Kevnhayn D Styleこと、D&S(DESIGN AND STYLE)は、デンマークの調理器具ブランドです。セラミックシリーズの人気が高く、累計で200万個以上の販売実績があります。

安全性の高さはもちろん、耐久性を高めた2層コーティングや、熱伝導に優れた厚底仕様など、機能性もしっかり考えられた実用的なセラミックフライパンです。

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購入者

重量がかなりあり当初は抵抗がありましたが、こびりつかないのが1年経ってもキープ出来ており非常に満足しております。焦げ付かず、それが長持ちするフライパンをお探しの方にはとてもオススメ出来る1本です。

D&Sのセラミックシリーズは、おしゃれなデザイン、しっかりした機能性、そして手に取りやすい価格帯と、全体的にバランスの良いフライパンです。

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以上、

セラミックフライパンの安全性についでした。

おさらいすると…

項目 セラミック フッ素樹脂
耐熱温度 約450℃ 約260℃
有害物質 なし PFOA
項目 セラミック フッ素樹脂
有毒ガスの発生 なし あり
人体への影響 発がん性なし 発がん性あり※
地球への影響 リサイクルしやすい リサイクルしにくい
※発がん性のおそれがあるのはPFOAです。フッ素樹脂フライパンでもPFOAフリーであれば安全に使えます。

セラミックフライパンは、PFOAなどの有害物質を使用しておらず、過熱時に有毒ガスを発生する危険性のない、安全なフライパンです。人にも地球にも優しいので、余裕があれば導入を検討してみましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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